歯ぎしり

近くで寝ている人のキーキーやギリギリという異様な音で目を覚ました経験は、 誰でも一度や二度はありませんか?

これは、上下の歯と歯が強く擦れ合う時の歯ぎしりの音です。

しかし、歯ぎしりがすべて音を発するとは限りませんので自覚的、他覚的にわからない場合もあるのです。

擦れ合うことで天然の歯やかぶせた人工歯が少しずつ摩耗するため、歯科医師や歯科衛生士が歯を見ると歯ぎしりの有無やその程度がすぐわかるのです。

歯ぎしりは健常者にも多く認められ、それ自体決して悪いとは言えませんが、一見意味のない非機能的活動と考えられています。

非機能的活動は日中のものと夜間のものがあります。日中のものには 事中の噛みしめや爪を噛む癖などがあります。
食いしばりを日常的にしていると、頬の内側に食いしばった時にできる白い線がつきます。

歯ぎしりは夜間のものとして、代表ですが、その内容には縦方向の噛みしめと横方向の擦りの二つがあります。

歯ぎしりの原因に関しては多くの研究がなされてきましたが、いまだ明確な科 学的解明はできていないようです。


ただ、睡眠段階と歯ぎしりは密接に関係しているようで、深い眠りから浅い眠りへの移行期あるいは覚醒時に、主に生じることがわかっています。
肉体的ストレスよりも精神的ストレスに密接に関連し、それらを解放する動作の一つとも考えられています。


睡眠中の歯ぎしりの力は、昼間の自発的噛みしめ力の数倍にも達するといわれ、 歯への負担や顎関節への負担は無視できません。


そのため負担軽減の目的で、マウスピースのような出し入れできる装置 (ナイトガードあるいはスプリントという)を、上顎に入れて歯や顎関節を保護することもあります。


ご自身で歯ぎしりに気づかれる方もいらっしゃいますが、多くの方はご家族からの指摘で、来院される事が多いです。
歯ぎしりや日常的な食いしばりでお悩みの方は一度、ご相談下さい。

前の記事

悪い習慣

次の記事

夏季休診のお知らせ